トリプルアクセルの見栄えを良くする秘訣は助走速度にあった

1月26日のNHKスペシャルでは、フィギアスケートの浅田真央選手のトリプルアクセルの問題点を科学的に分析していてとても興味深かった。

 

4年前のバンクーバーオリンピックでは、浅田選手は、3回トリプルアクセルを成功させるというオリンピック史上初の快挙を成し遂げた。

 

しかし、ジャンプの見栄えの美しさに問題があり、技術点が低くなり、スピード感や表現力に勝るキム・ヨナ選手に金メダルを奪われてしまった。

 

ソチオリンピックに向けて、浅田選手は佐藤信夫コーチから、土台のスケーティングの見直しを指示された。そして、スピード感のある力強い滑りを目標としている。

 

番組では、スケーティングとジャンプの関係をコンピューターで分析。その結果、興味深いことが判明した。

 

15歳の頃の浅田選手の映像を見ると、トリプルアクセルを軽々と飛んでいた。この時のジャンプまでの助走速度は6.41m/秒。これに対して、バンクーバーオリンピックの時の助走速度は6.43m/秒とほとんど変わらない。

 

しかし、15歳の頃と比較すれば、身長も大きくなり、体重も5キロ増えている。それにもかかわらず、同じ助走スピードで体を回転させようとすると、踏み切り時に力みが出て、ジャンプの見栄えが悪くなる。それが、バンクーバーでの敗北に繋がったと考えられる。

 

そこで、浅田選手は、助走スピードのアップや筋トレによってスピードアップに耐えられる強い体作りに努めてきた。

 

そのせいもあって、昨年11月のNHK杯ではフリーのトリプルアクセルで、わずかに両足をついたものの、助走スピードが6.62m/秒に上がり、見栄えの良いジャンプになっていた。

 

その後の演技にも勢いがあり、後半の体力的にきついところでのジャンプも成功。207.59と自己最高点を更新した。

 

この調子で、ソチでも宿敵キム・ヨナを破り、悲願の金メダル獲得を実現して欲しい。